DOR PAPA BLOG

デザインの本質はアイデアだ。

視覚障害を乗り越える母の勇気

今週のお題「夢」


私の母は現在76歳、私が高校生の時に父は失踪しました。(離婚は成立したらしいのですが、深くは聞いてません。私の中では父は失踪したで納得してます。)

母には目に先天性の障がいがあり殆ど視力がありません。(全盲ではなく障害者手帳の2級ほどです)

そんな母はTVが好きで、旅行番組や歌番組、夏になると必ず甲子園を顔を近づけて見ています。
特に旅行番組でハワイが出ていると死ぬまでに一回は行きたいな…と口癖見たいに言っています。

母の思い

母は中学卒業後に指圧師の資格を取るための学校に行き、資格を取得し指圧師としてマッサージ事務所で働いてきました。
今はできる範囲ではありますが現役で続けています。

できる範囲と書いたのには訳があり、所属していた事務所もコロナ禍で仕事が激減し、自宅待機になり呼ばれなくなってしまいました。
母は仕事がなくなった事がきっかけで軽度の認知症になってしまったのです。

その後コロナも明け、少しづつ仕事に呼ばれるようになりましたが、予約時間を忘れていたり、携帯、時計などの落とし物が多くなり職場に迷惑をかけるようになってしまいました。
認知症の進行は、悲しいですが待ってはくれませんでした。

私には隣の市に住むシングルマザーの姉が居るのですが、今後どうしていけばいいか分からなかった為、忙しいのを承知で姉に相談する事にしました。
姉も心配はしていたみたいで、時間を作り母を混えて家族会議をする事に。

そして話し合い当日がやってきました。
母「仕事に支障は出さない様に気をつけるから続ける」と言い出しました。
姉「仕事を続けていける状態ではないし、現時点で職場に迷惑がかかってるから辞めなさい」
と、完全に対立してしまいました。
母が続けたい気持ちも、姉の反対する気持ちもわかります。
結局、その日は話がまとまりませんでした…

夢と夢

その日の夜、私はある「夢」を見たのです。

至って普通の夢なんですが、家族みんなで九重夢吊大橋に紅葉を見に行っていました。
母は私の妻や孫達と楽しそうに紅葉狩りをしていて、あたかも母の目が見えているように私にはうつりました。

翌朝目を覚ました私は考えたのです。
今思えば母は自分の好きな事を我慢して生きてきたんだろうと…

高校生の私を残して父は失踪し、障がいがあろうが私を育てなければいけない。
なんて不自由な人生を送ってきたんだろうと、考えていると私は涙を流していました。

その日、母に話を聞きました。
私「お母さんはお金に不自由なくても仕事を続けたいの?」
母「続けたいし、お金がいる。あんた達をハワイに連れて行くのがお母さんの夢やけん…」 
私は母の前で必死に涙を堪えました。
私「わかった、できる範囲で頑張ろう。姉には話しするから、あとハワイは割り勘でいいよ。」

母には夢があったんです。

夢のリンク

私は恐らく母と姉が話し合えば解決すると内心思っていたのかもしれません。
姉が仕事を辞める様に説得してくれるだろうと…
続ける方法を模索するわけでもなくです。

先ず私はマッサージ事務所に出向きオーナーにことの経緯を話しました。
「物忘れが多くなり、これからも進行していくとおもいます。迷惑をかけてしまう事があるかも知れないので仕事が入った時は私に連絡をくれれば私が事務所に連れて行きます。」
と、こんな感じでした。

オーナーさんは「大丈夫、凄く腕のいい指圧師なので、よろしくお願いします。」と言ってくれました。

姉も私が面倒をみるからと言うと納得してくれ、なるべく空いた時間は電話で母の話し相手になってくれると言ってくれました。

それから半年以上経った今、母は病院の勧めでデイケアに通う事に、初めは嫌がっていましたが、最近ではデイケアの日になると服はこれで良いかとか聞いて来るようになり楽しそうです。
仕事もできる範囲でしています。

私が見た「夢」は母が思い描く「夢」とリンクしていたのかもしれません。

母の夢を叶える為にハワイ貯金頑張るぞ!!!!!